2007年 08月 30日
八月の画題【花 火】
夏花火
閉じた記憶の蓋を開け
娘夫婦のお相伴にあずかり「なにわ花火大会」に出かけた 所は淀川十三大橋付近で目測四百米の川幅中央に花火打上台船 定められた席は川っ縁 手すりの前の特等席 今夕の人出は約五十万人だとのこと
花火見物は珍しくはないがたいていは建物の間などからぽっと上がって「ほら上がったよ」と言って暫くしてからドーンと音がする そんなものだった
カウントダウンが終わるやいなや轟音と閃光に包まれる 花火より先に音を聞いたのは初めてで暫時呆然とした 孫娘達は早速ケイタイカメラで「すごーい々」と写している
フィナーレ近く 呼び物の銀カムロ菊大尺玉がドドンと上がり 火の花弁がザーッと空中に広がったあとザザーッと降ってきたとき あの夏の夜を思い出した

昭和二十年七月九日深更 B29百八機による和歌山市の空襲 一説によると焼夷弾一七万発で死者千二百名余 負傷者四千五百名余
元寺町に住み内町東国民学校四年 「ここにいちゃ危ないみんな出ろッ」燃え上がる炎と降る火矢のなか 着の身着のまま何のためらいもなく防空壕から日頃どぶ川と呼んでいた内堀川に飛び込んだ
泥水の中を火に追われて這いずり屍臭とともに逃げ惑って数刻 終わったと知ってどぶ川の縁に倒れこみ あれほどしっかりと握っていた鞄が引潮に流されてゆくのを目で追いながら拾うことが出来なかった
決して忘れてはいないが思い出したくもない記憶だ あのときに人として大切な何かも一緒に流してしまったような気がする
「おじいちゃん 来年も来ようね」
屈託のない孫娘の声はさわやかな清涼剤のようだ
夏花火
閉じた記憶の蓋を開け
娘夫婦のお相伴にあずかり「なにわ花火大会」に出かけた 所は淀川十三大橋付近で目測四百米の川幅中央に花火打上台船 定められた席は川っ縁 手すりの前の特等席 今夕の人出は約五十万人だとのこと
花火見物は珍しくはないがたいていは建物の間などからぽっと上がって「ほら上がったよ」と言って暫くしてからドーンと音がする そんなものだった
カウントダウンが終わるやいなや轟音と閃光に包まれる 花火より先に音を聞いたのは初めてで暫時呆然とした 孫娘達は早速ケイタイカメラで「すごーい々」と写している
フィナーレ近く 呼び物の銀カムロ菊大尺玉がドドンと上がり 火の花弁がザーッと空中に広がったあとザザーッと降ってきたとき あの夏の夜を思い出した

昭和二十年七月九日深更 B29百八機による和歌山市の空襲 一説によると焼夷弾一七万発で死者千二百名余 負傷者四千五百名余
元寺町に住み内町東国民学校四年 「ここにいちゃ危ないみんな出ろッ」燃え上がる炎と降る火矢のなか 着の身着のまま何のためらいもなく防空壕から日頃どぶ川と呼んでいた内堀川に飛び込んだ
泥水の中を火に追われて這いずり屍臭とともに逃げ惑って数刻 終わったと知ってどぶ川の縁に倒れこみ あれほどしっかりと握っていた鞄が引潮に流されてゆくのを目で追いながら拾うことが出来なかった
決して忘れてはいないが思い出したくもない記憶だ あのときに人として大切な何かも一緒に流してしまったような気がする
「おじいちゃん 来年も来ようね」
屈託のない孫娘の声はさわやかな清涼剤のようだ
# by andojiji | 2007-08-30 15:44
















